売り込みのタイミング、引き際のタイミング〔その2〕

とくに小物発明では、売り込みを「特許の登録」になってから行うのは、避けたほうがよいでしょう。ただし、「登録された特許」の発明のほうが、断然、売り込みはしやすくなります。

提案された企業にとっては、「登録された特許」の発明のほうが、リスクが少ないし、独占もしやすく、それだけメリットが大きいからです。では、なぜ避けたほうがよいのでしょうか。

まずは、登録までに掛かる特許手続きの費用が個人持ちになるので、出費がかさむ、という点。そして、登録までには何年も掛かるので、その間に発明が斬新なものでなくなる可能性もある、という点。

つまり、登録まで待ってしまうと、そのうちには類似品等も出回り、発明が色褪せてしまう可能性があるのです。

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このように、特許が登録されてからの売り込みでは、その登録までの間に、社会のニーズが変わったり、自己発明と同等かそれ以上の類似品が出回ったりする可能性が高くなるのです。

そうなると、せっかく登録された発明も、もはやどこの会社も買うほどの価値をもってくれないという、そうした恐れも出てくるということなのです。

そうなっても、登録までに掛かった「審査請求料」や「登録料」など、諸々の費用は個人負担のままなのです。そんなリスクを冒してまで、登録されるまで売り込みを待つことはないでしょう。

しかも、登録になっても買い手が見つからない特許に、いつまで固執していても、それが売れない限り、こんどはその特許の年々の「維持費」まで、自分で特許庁に納めなければならなくなるのです。最初の登録料だけでは済まないのです。

このように、特許の権利をその先も維持するためには、年々の維持費にあたる「特許料」(特許の年金)を特許庁に納める必要があります。しかも、これは一律ではなく、3年ごとに増えていくようになっているのです。

だから、特許の権利をどの会社からも買ってもらえそうもなければ(あるいは特許料を払ってもらえそうもなければ)、思いきってその特許は手放したほうがよい、ということになります。

それでも、前述のような高額な特許の維持費(年金)を、律儀にも年々払い続け、文字どおり「特許貧乏」(略して「特貧」)となってしまった、そんな個人の発明家も多くいたといいます。

こんなにお金を掛ける前にも、発明が売れるか売れないかの見極めをしておくべきなのです。個人の発明家で、それ(特貧:トッピン)をやってしまったら、それこそ本末転倒というものでしょう。

ところで、平成16年の4月からは、この特許料もこれまでのものと比べて、大幅に安くなりました(半額近くに)。同時期からは、特許の出願料も安くなったので、「これは個人発明家には朗報か?」と思いきや、実は安くなった分、高くなった部分もあるというのが実情。

その「高くなった部分」というのが審査請求料で、これは従来の料金の倍額にもなっているのです。このことからも、これからはますます、本当に権利化を考えている発明だけに絞って、慎重に出願、あるいは審査請求をしていく必要があるのではないでしょうか。

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