売り込みのタイミング、引き際のタイミング〔その1〕

■特許の登録を待ってから、発明を売り込んで失敗するケース

個人発明家が自分の発明を、企業に売り込み始める時期は、特許の出願と同時か、あるいはその少し前あたりからがよいと思われます。

もちろん、状況によっては、出願してから何ヵ月か経った後でも構いません。ただ、出願してから1年半も経つと、特許の公開公報が自動的に出されるので、多くの人に発明の内容が知られてしまうことになります。

そうなると、そこに書かれている発明の内容からヒントを得て、または大幅に真似て(さらには、うまく発明の権利に抵触しない形のものを)、他人が考え出さないとも限りません。あるいは、無断で実施(模倣)されることもあるかもしれません。

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いずれにせよ、個人よりも資本力のある会社が、発明を実施してしまえば、それはアッという間に広がることになります。

その後で「模倣されている」と気づいて、警告文(クレーム)を発して、仮に実施が抑えられたとしても、今後展開しようとしている発明商品の新鮮さはもはや色褪せてしまうことでしょう。

無断で実施した会社からは、後で「補償金」をもらえることもありますが、そのためには特許が登録されていないとなりません。

ところが、この「特許の登録」までが長い道のりであると同時に、いろいろと通らなければならない難関もあるのです。第一、お金も掛かります。個人発明家が自分でこれらすべてを賄うのは、ちょっと大変。

それでも、自分の発明を自分で製作・販売していくというのなら、それは「個人発明事業」の開業資金として、必要な経費と割り切ることもできます。

でも、ここでは「ちょっとした思いつき」が小物発明として、ロイヤルティ収入になるということを中心に述べていますので、やはり「売り込み」というスタンスで考えていきたいと思います。

※こうした場合のために、出願者には、「補償金請求権」が与えられている。これは、先願権のある発明を(故意かどうかにかかわらず)、無断で実施している会社なり個人なりに、発明の出願者が、特許登録となった際に補償金(発明を実施して儲けた分)を請求できるという権利である。

もちろん、特許が拒絶になれば、請求の権利もなくなる。いずれにせよ、出願してある発明を実施している者に対して、警告文を発するなどして、対抗はできる。

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